2018.07.06 事例紹介 Concept pyramid®を用いた、既存データからの生活者インサイト理解

概要

クライアント企業:耐久消費財メーカー様

クライアント企業において生活者の意識・実態に関する調査をすでに数多く実施していましたが、調査結果からのインサイトを複数の担当部署間でいかに共有するか、また、次のステップである商品企画・開発フェーズへの創造的活かし方を模索されていました。

そこで、調査結果をより実りあるものへとつなげるため、Concept pyramid®(コンセプトピラミッド)の技法を通じて、コンセプト開発における考え方や情報活用のスキルの習得とともに、生活者のインサイトへの理解を深めました。

Concept pyramid® は弊社独自のサービスで、関係メンバーで情報を等しく共有化・理解するのに最適で、言葉情報から潜在的な意味や価値(暗黙知)を導き出す「協調設計技法(Collaborative Design Method)」です。
→Concept pyramid®とは

プロジェクトの流れ

1. Concept pyramid ®を用いて、既存データの共通理解を得る

プロジェクト・メンバー10名にて、既存のデータやメンバー各自のこれまでの知見に基づき、 Concept pyramid ®の文法ルールに従って情報ピースを書き出していきました。ピース総数1307件。

2. Concept pyramid ®の適用

10のステップごとのルールに基づき、計17時間にわたりConcept pyramid ®を行いました。単に情報の整理をするのではなく、ひとつひとつのピースに描かれている生活価値をメンバー間で共有化したり、見解が異なる場合はそのピースをトリガーに議論を交わしていきました。

時間を要したものの、可視化された情報に基づきながら議論を行えるので、横道にそれたり目的を見失うことなく「本質的価値」を導き出すことができました。

3. Insight Mapによる表現~展開

Concept pyramid ®により得られたピラミッド状の構造化チャートを手掛かりに、注目すべき生活者インサイトの抽出を行いました。 Insight Mapにリフレーミングしていくことにより、価値を実現するアイディアの方向性と、そのイメージキーワードが得られました。そして、参加メンバー全員が、共通の発展的な視点を持つことができ、商品開発にあたってのベースづくりが完成しました。

参加者のコメント

  • 普段、キャッチコピーは外注しているが、どうやって生み出されたかはブラックボックス化している。社員発のワードは根拠があると感じた。今後、具体化していきたい。
  • “新商品”=“新機能”とは限らないことに気付いた。本質的価値の提供は、必ずしも新機能である必要はない、と腑に落ちた。
  • インサイトマップのフレームがあったことで、本質的価値に対するアプローチが見える化できてよかった。