2010.10.11 事例紹介 コンセプトピラミッド®による調査設計支援

事例紹介

大手総合電器メーカー様

これまで定点観測のひとつとして行ってきた生活者調査において、今後ますます顕著になる生活環境や生活意識の変化を把握していくために、従来の調査票を見直し、未来先取り型の調査票を設計していくことを検討。従来の常識や当たり前が、次々と過去のものになっていることに、そして、過去から未来へ続く緩やかな変化ではなく突然訪れる生活変化が急増していることに注目しました。これからの生活変化の仮説をコンセプトピラミッド®にて描き、網羅性を確認しながら新たな調査票へと反映しました。

プロジェクトの流れ

1. コンセプトピラミッド®で用いる情報収集

プロジェクト・メンバー10名(弊社メンバー含む)にて、既存のデータやメンバー各自のこれまでの知見に基づき、コンセプトピラミッド®の文法ルールに従って情報ピースを書き出していきました。ピース総数321件。

2. コンセプトピラミッド®の適用

10のステップと、各ステップのルールに基づき、計12時間にわたりコンセプトピラミッド®を行いました。単に情報の整理をするのではなく、ひとつひとつのピースに描かれている生活価値をメンバー間で共有化したり、見解が異なる場合はそのピースをトリガーに議論を交わしていきました。

時間を要したものの、可視化された情報に基づきながら議論を行えるので、横道にそれたり目的を見失うことなく「未来の生活像」についての仮説を描いていくことができました。

3. 調査設計検討

コンセプトピラミッド®により得られたピラミッド状の構造化チャートを手掛かりに、これまでの定点観測調査における設問とすり合わせを行いました。従来の調査内容の一部変更で良いもの、大幅な見直しを必要とするもの、新たに項目を立てて調査していくべきものなど、コンセプトピラミッド®の構造化チャートと従来の調査票とを比較しながら検討しました。

検討の結果、これまで1回のタイミングで行っていた調査を、テーマ別に2つに分けて行うことにしました。回答者負担を軽減することはもちろんですが、何よりも「これからの豊かな生活像」を考えるときの大きな柱として観察し続けていくべき2つの分野がある、ということがコンセプトピラミッド®から明確に理解できたからでした。

4. 調査票への反映

検討結果を調査票へと反映しました。個々の商品に関する調査等は各部門のみなさまがこれまでも行っているものでしたが、生活全体、これからの生活への志向など、ややテーマが大きい分野についてはこの調査が担っていくことになります。新しい生活の変化を定点観測で追い続けていくことができる、これはわたしたちにとっても非常に大きな楽しみです。

ご担当者さまのコメント

コンセプトピラミッド®の構成段階では、1件1件全く違った現象を表しているピースが、 思いも寄らなかった共通点で結びつき、未来の生活像へと繋がっていく行程が新鮮でした。商品開発のスタッフとも、常々「定点観測」の必要性を語り合ってきましたが、今回の成果を今後の調査内容に反映させ、お客様の変化を敏感に感じ取ることによって、 未来の生活をより豊かにできるような商品やサービスの開発に役立てていきたいと考えています。