2008.09.08 レポート 高齢化社会なのに廃れゆく「敬老の日」 要因は少子化の影響!?

~家庭での年中行事実施状況調査より~

毎年「家庭での年中行事実施状況」をWEBアンケート調査で実施

25~44歳 男女 全国10,000人の実態を分析

マーケティング会社㈱ウエーブプラネット(東京都千代田区、代表取締役 ツノダ フミコ)では、毎年「家庭での年中行事実施状況」を中心にした生活実態アンケートを実施しております。今回の調査結果からの最新の傾向や特徴につきましては、行事や歳時のタイミングごとに随時ご紹介してまいります。

まず第1回目の今回は「敬老の日」に関する調査結果です。

「敬老の日に贈り物をする」のは25.1%で、今年も「母の日に贈り物をする」74.1%、「父の日に贈り物をする」64.3%、を大きく下回る結果に。

本調査がスタートした04年から、「母の日」「父の日」にダブルスコアの差をつけられている「敬老の日」の贈り物実施率。ここ数年は百貨店等での敬老の日のキャンペーンも盛んに行われているが、プレゼントを贈る行事として定着には程遠いといえる。

「敬老の日に贈り物をする」は、今回調査した年中行事の中で第23位という低さ。「土用の丑の日にうなぎを食べる」38.1%、「節分に太巻き寿司を食べる」32.0%などにも大きく差をつけられた。国民の祝日でありながら、実施率では「七草粥を食べる」24.6%と肩を並べる寂しい結果となった。

「敬老の日に贈り物をする」率は、男女共に都市部に比べて地方の方が高い。
25~29歳では約10ポイントの差があり、都市部に比べ地方の孫は祖父母思い。

性別世代別に見てみると、男女の差はほとんどみられないが、都市部と地方で約4ポイントの差がみられた。特に若い世代・25~29歳では男女ともに約10ポイントの差がでた。要因としては、祖父母が近くに居住しており身近な存在であることが考えられる。都市部に比べて、地方の孫は「おじいちゃん・おばあちゃん」思いといえよう。

「子どもあり」世帯では実施率が30%を超え、「子どもなし」世帯と倍近い差をつけた。同じシルバー世代でも「孫がいる=祖父母」となり、敬老の日を祝ってもらえる結果に。

男女ともに子どもあり世帯では実施率が約30%で、子どもなし世帯と比べて大きな差となった。「母の日に贈り物をする」「父の日に贈り物をする」実施率では、子どもの有り無しで差はほとんどない。「敬老の日」は「孫がいる=祖父母」になってはじめてイベントとして成立していることが伺える。

今後、進行する高齢化社会でシルバー人口は増加しても、少子化に歯止めがかからなければ、祖父母になれる人口増は期待できず「敬老の日」が盛り上がらないという現象が続きそうだ。

調査概要

調査実施サイト株式会社マクロミル(インターネットリサーチ)
調査対象者全国25歳~44歳の男女
調査期間2008年6月
回答者数10,309件